奴とは魚が合うの巻

オジサンは仙台中央卸売市場に仕入れに行く。

行くといっても競りに参加して品物を買ってくる訳ではない。

魚の場合、欲しい魚は競りの権利を持つ仲買人を通じて

買ってもらう事になる。

オジサンはWという仲卸し会社を通じて魚を買っている

訳だがそこに石光君(仮名)という仲買人がいる。

彼とは結構ウマが合っている。

 

オジサンは黒鯛が大好きだ。

でも黒鯛という魚、なかなか当たり外れがあって外れの

時は本当にひどい。 それもかなりの確率でだ。

しかし彼に任せてから外れ鯛に当たった時は一度もない。

奴は魚を知っている。  しかもかなり。

オジサンは競り落とした魚が来るまで彼とよく話をする。

「最近さわらがいいねェ」

「ンだべ、このところ入るさわら、それも少し小さい

さわらの方がうまいっすっョ」

そこに彼の上司の矢野さん(仮名)が話に加わる。

「さわらって魚へんに春と書くべ、ンだから皆2月3月に

もてはやすけんど本当に旨いのは今だっちゃ!」

「ンだ ンだ」とさも東北人であるかの様におじさんは

相槌を打つ。

 

「たらだってそうさァ、魚へんに雪と書くから冬の魚だと

思われているけんど本当にうめェのは6月 7月だっちゃ」

とまあ話は終わらない。。

オジサンは市場を後にしながら「さあ!今日も頑張んべ

しかし奴とは魚が合う」とつくづく思う。

 

tokisake

カテゴリー: 未分類 パーマリンク